世界平和は一家団欒のあとに3

世界平和は一家団欒のあとに3 父、帰る 橋本和也 電撃文庫 2007年9月25日

☆☆☆☆☆☆☆
 ――父帰る。超常の力をもち世界を救ったりしている星弓家の父・耕作が久々に帰宅することになった。大喜びの母のお使いで大量の買い物をすることになった軋人だったが、その帰り道でワンピース姿でギターケースを抱えた美女に出会う。彼女はエルナと名乗り、軋人たちの両親の友達だと言う。段々とエルナと打ち解けていく軋人だったが、父とエルナとの間にはどこか微妙な空気が流れており・・・・・・。
 ついに星弓家の父にして元勇者が登場する「世界平和は一家団欒のあとに」3冊目です。今回もとても面白かったですね。
 なにより父が素敵すぎます。一言でいうならダンディだ(笑)。言動とかは渋いんだけど、どこか茶目っ気のあるところが印象的でした。そんな父を交えての家族のやり取りは、読んでいて凄く和みます。
 ストーリーは前半、中盤にかけては父の行動やエルナ+柚島さんとのやり取りが楽しかったですね。特に中盤の遊園地でのやりとりが面白い。意外な一面を見せた柚島さんが可愛いです。一方、後半は熱い展開で楽しめましたね。とある理由から父と対立してしまう軋人たち。軋人にしても父にしても戦う理由が分かるから、どうなってしまうのかと どきどきしながら読めました。
 そして迎えるラスト。切ないような暖かいような・・・。そんな感じのする終わり方が素敵です。とても楽しめました。