ディバイテット・フロントⅢ

ディバイテット・フロント Ⅲこの空と大地に誓う 高瀬彼方 角川スニーカ文庫 2005年3月1日

 前巻のラストを引きずっての最終巻。傷心のイコマ小隊、特にイチルの変化は、見ていられない程痛々しいです。その傷心のイチルを心配して、軍を無視して飛び出した朝霧和磨の存在もいい感じでよかったです。
 この作品ですごいと思うのは、一人称のメンバーが次々に変わっていくのに対し、読み手の意識がバラバラになることはなく、さらにメンバー一人一人に魅力を感じられることかと。
 あと、英次が格好いいですね〜。特に戦闘中に描かれる彼の内面は見ているこちらを熱くさせます。ただ単に戦おうという意志だけでなく、弱い部分を乗り越えようとしているところが格好よく映ったのだとおもいます。 とても面白い作品でした。
 印象に残った台詞?以下反転―そして、彼女が「大人より強い」ということが、いつの間にか「彼女が大人だ」ということにすり替わっていた。―羽生さんの台詞(台詞ではないのかな)ああ、つまりそういうことなんだなと、妙に納得した言葉でした。