ガジェット・ポップ

ガジェット・ポップ 川崎康宏

ガジェット・ポップ~蒸気帝国騒動記~ (GA文庫)

ガジェット・ポップ~蒸気帝国騒動記~ (GA文庫)

数ある帝国騎士団の中でも弱小の第三八騎士団。その団長―グリフィス・グリフィンは部下二人を連れて納税のため帝都を訪れていた。何の変哲のない納税・・・のはずだったのだが、高貴な服をまとった侍女に声をかけられたことをキッカケに事態は思わぬ方向に動き出す―。 
 はい、そういうわけでスチームパンクコメディ、ガジェット・ポップです。話の大筋は田舎騎士団のグリフィス以下3名が、麗しきギレーネ姫様の旅の護衛としてお供することになるところから始まります。で、この姫様、無断で旅にでちゃったので、当然グリフィスたちにはあらぬ疑いがかかってさあ大変みたいな感じのお話。
 これは結構好みが分かれるかと。個人的には楽しめました。文の描かれ方が結構独特で、作品の軽いノリと合わせて思わず笑ってしまったり。
 キャラクターについて。45歳の主人公もさることながら、登場人物がそれぞれアクの強い人たちで、そんな彼等が繰り広げる騒動がなんとも笑いを誘います。個人的にはマイルケルンとトロッコ騒動(勝手に命名)がウケました(笑)。
 まとめ。少々独特な雰囲気を持っているので、読み手を選ぶ作品かもしれません。ただし、その分うまくフィットすればかなり楽しい作品になるかと。興味があればためしに読んでみるのもいいかもしれません。
 印象に残った文(以下反転)―でも自分がなにをしようとしているかはわかっていないらしい。―これだけ抜き出しても、ちょっと意味不明ですが、私はこの部分を読んで「この作品面白いな〜」と思いました。こんな感じでちょっと独特な言い回しが結構あって、それが物語を楽しくしてくれているかと。