神様が用意してくれた場所(2)

神様が用意してくれた場所 明日をほんの少し 矢崎存美

☆☆☆☆☆☆
 19歳の香絵は<不思議>なことに遭遇してしまうという特異体質の持ち主だった。その日も探偵事務所のアルバイトの帰りに銀色の携帯を拾ったことで不思議な事件にまきこまれていき――。
 「神様が用意してくれた場所」その2冊目です。読み終ったあとに真っ先に思ったのは「このお話好きだなー」ということ。優しいイラストと相まって、素敵な雰囲気を醸しだしています。
 今回は前回のような短編ではなく、一本のメインとなるストーリーがありました。で、それがなかなか良かったですね。どこか暖かくて、少しだけ切ない、そんなお話だったかと。
 個人的には携帯電話を拾ったことで知り合った青年(以下一応反転――実は見た目は大人、中身は7歳という状態)とのやり取りが好きですね。香絵の一人称という点もあり、読んでいてすごく楽しい。
 まとめ。たまに人物に関して混乱することもありましたが、素敵な雰囲気とストーリーで最後まで楽しめた作品。とても面白かったのでぜひとも続きを読んでみたいです。