神曲奏界ポリフォニカ

神曲奏界ポリフォニカ ウェイトワード・クリムゾン GA文庫 2006年1月31日

 それは精霊が力を持っている世界・・・。精霊は神曲楽士の奏でる楽曲を糧にその力を発揮する。新米神曲楽士―タタラ・フォロンとその契約精霊―コーティカルテはある日始めての仕事をもらい張り切るが・・・。一方彼等の知らないところでは、とある事件が起ころうとしていた・・・。
 はい、そういうわけで榊一郎先生によるGA文庫第一段です。なかなか楽しめました〜。音を奏でることで精霊達を魅了し、その力を行使することのできる神曲楽士の設定や、この世界における精霊のあり方が面白かったです。割と人間と精霊は身近な関係のようです。
 次にキャラクター達について。やっぱりフォロンとコーティカルテが良かったかと。最強クラスの上位精霊であるコーティカルテを契約を交わしているが、本人は新米なフォロン。彼がでたらめに強くないことが、なかなかに新鮮だったかと。フォロンとコーティカルテとの掛け合いは楽しく。特にコーティカルテのフォロンに対する態度が読んでいて微笑ましいです。 
 ストーリについて。割と緩やかに進んでいった印象。前半はフォロンが所属するツゲ神曲楽士派遣所でのお話。後半は事務所の面々(主に所長のユフィンリーとフォロン、コーティカルテ)が、とあるところで事件に巻き込まれることで展開。強引といえば強引ですが、序盤から要所要所に事件を匂わすま部分が描かれていたので、割とすんなり受け入れられたかと。また頻繁にでてきた過去の事件のことが気になります。今後の展開でその事件についても語られていくのでしょうか。気になります。
 全体的に落ち着いた雰囲気を醸し出しいます。派手な立ち回りとかはないのですが、魅力的なキャラクターや、語られていない部分など、続きが楽しみな作品です。
 印象的な台詞というかなんというか(以下反転)―ヴぁヴぁヴぁっヴぁっうぁっ!―え〜と、神曲の演奏部分です(笑)。設定上色々な演奏があるわけだから、音を文字にしてあらわすのは必要なことなのだとは思うのですが、ちょっと慣れない感じがしました。ただ、面白いな〜とも思いました。