影≒光2

影≒光 シャドウ・ライト 英国編 影名浅海 スーパーダッシュ文庫 2006年3月30日

 退魔の生業とする陰陽師の家系―その中にあって陰陽術の才能がなかった少年・星乃宮光輝は精霊術を学び、父を打ち負かすために日本に帰ってきた。しかし、父には負け自分の起こした行動が大きな事件を引き起こすことになってしまった(第1巻)。自分の未熟さを思い知った光輝は、事件の傷を引きずりながらも、修行を再開するためイギリスへと戻った。
 普通に面白かったです。贅沢を言えばもうすこし盛りがほしかったかな〜とは思いましたが、安定した作りで楽しめました。
 今回はイギリスで旅の路銀を稼ぐために、魔術学園に寄せられた依頼を受けるというお話。17歳のお師匠様・ルーシー・キャロルが良かったです。特に前巻で無類のブラコン振りを見せてくれた星ノ宮御影と、光輝を巡って直接ではないけど火花を散らしているあたりが面白かった。光輝が鈍いのはお約束ってやつでしょうか(笑)。
 ストーリそのものもオーソドックスって感じで分かりやすかったです。ただ、個人的には半ばほったらかしにされているあの人物がどうなったのか、非常に気になるのですが(笑)。
 まとめ。普通に面白い作品。この作品て人の業がテーマなのかな〜とか思ってみたり。それはそうと今回あまり登場しなかった御影ですが、彼女が立てた夏休みの計画が気になりますね〜。次巻、どのように展開するのか、楽しみです。
 印象に残った台詞(以下反転)―「――無視しなさい」―御影の台詞。光輝がルーシーの機嫌が悪いのをどうにか出来ないか、御影に相談、その時の台詞。なんというか御影のブラコン魂全開って感じです(笑)。これまでの会話からルーシーの光輝に対する感情を理解した御影が思わず言ってしまった一言。言った瞬間自分でもそれはないだろうと思うあたり御影らしいですね(笑)。てか、それを実行しちゃった光輝も凄いです(笑)。