付喪堂骨董店3 不思議取り扱います 御堂彰彦 電撃文庫 2007年10月25日
- 作者: 御堂彰彦,タケシマサトシ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (64件) を見る
アンティーク。それは不思議な力を宿した器物の名称。人はそれを手にしたとき、その不思議な力に魅了されていく。そして――。アンティークをめぐる物語『付喪堂骨董店』その3冊目です。とても面白かったですね。今回はアンティークをめぐる4つの物語が展開されます。
以下、それぞれに簡単な感想を。
1章「箱」・・・中にいれたものをそのまま保存できる箱の物語。メインのストーリーも良かったですが、最初に繰り広げられる骨董店でのやり取りが楽しいです。
2章「人形」・・・物にやどった魂が咲に乗り移ってしまったお話。感触としては1巻の2章のような感じかと。過去と現在の行ききしながら進んでいきます。
3章「夢」・・・自分が描いたとおりの「夢」が見られるアンティークのお話。詳しくは書きませんが、なんとも切ないですね。とりわけ終盤で刻也が感じた思いと、最後の行動がすごく鮮烈で印象的でした。
4章「眠り姫」・・・恒例の咲が可愛いお話(笑)。眠り姫のサブタイトルからも連想されるように、咲と刻也が交互に12時間眠ってしまう状態になってしまい・・・といった感じで進みます。咲と刻也の両方の視点から描かれていて、それがすごく楽しかったです。人前では読めそうにありません(笑)。
そんなわけで今回もとても楽しめました。これからの展開にも期待です。
印象に残った台詞(以下反転)――「探偵には向かないねぇ」――屋敷さんの台詞。なんというかこの台詞を言ったときに屋敷さんの苦笑いしているような、どこかすっきりしたような表情が想像できるようです(といっても、特に描写されているわけではないので、自分のただの思いこみかもしれませんが・・)。