あしたびより

あしたびより 雨森麻社

☆☆☆☆
 メイドのルシアには、日記をつける習慣があった。だけどそれは、彼女にとってけっして楽しいものではなかった。ルシアは真夜中になるたびに記憶を失ってしまうのだ。そんな彼女にとって日記は生活の為に必要な道具だった。
 「友達なんていらない」・・・そう日記に書き続けた彼女にとって、日常は絶望だった。そんな日常のある日、彼女は不器用な魔術師イルクと出会い――。希望を失った少女と不器用な少年が織りなす、儚い恋の物語。
 この作品がデビュー作となる 雨森麻社先生の作品です。う〜ん、これはいい話だし、決してつまらないわけではないのですが、どうも自分には合わなかったみたいです。何が合わなかったのか考えてみると、どうやら会話のテンポが好きになれなかったようです。別段読みにくいって訳ではないと思うのですが、どうしても違和感みたいのを感じてしまいました。
 それと別にストーリーでは、真夜中になると記憶をなくすという設定を、もう少し深く突っ込んでほしかったなというのもあります。
 合う合わないは別として、お話としてはイクルとルシアの交流が見所。特に終盤、ルシアが感情を吐露したところが印象的でした。