スクランブル・ウィザード

スクランブル・ウィザード すえばしけん HJ文庫 2008年7月1日

スクランブル・ウィザード (HJ文庫)

スクランブル・ウィザード (HJ文庫)

☆☆☆☆☆
 魔法を使える人間――魔法士のエリート機関「内閣特別対策局」に属する椎葉十郎は、とある事情から魔法士養成学校で教師をすることになった。慣れない環境での仕事、そんな中で十郎は雛咲月子という少女と出会った。一方、十郎たちのいる養成学校に、反魔法主義組織の魔の手が迫っていた。
 第2回ノベルジャパン大賞 大賞受賞作『スクランブル・ウィザード』です。では、早速感想。これはまずまずな面白さでした。
 まず、一番良かったのはヒロインである少女、雛咲月子ですね。優等生であろうと「仮面」をつけている彼女が、ぶっきらぼうな十郎との交流の中で、少しずつ変化して年相応の女の子らしくなっていく、そんな感じが素敵でした。素の自分になると思わずオロオロしてしまうのが、なんとも可愛らしいですね。
 一方、十郎をはじめ大人たちは、それほど魅力に感じられませんでした。特に主人公である十郎は、その反抗的な言動が何に起因しているのかがイマイチわからず、あんまり好きになれませんでした。ただ、月子との交流が増えた中盤以降は良かったですね。不器用だけど、優しい人間といった感じに見えました。
 まとめ。序盤はあまり好きになれなかったのですが、月子と十郎の交流が増える中盤以降が楽しかった作品。また終盤の魔法を使った戦いもなかなか面白かったです。ヒロインの月子が小学生くらいの年齢なので、それをふまえつつ 今後どのような展開を迎えるのか、楽しみです。
 *・感想の続きは本家にあります。よければそちらもどうぞ。