倒凶十将伝(7)

倒凶十将殿 巻乃七 庄司卓 ソノラマ文庫 1997年8月31日

倒凶(TOKYO)十将伝〈7〉 (ソノラマ文庫)

倒凶(TOKYO)十将伝〈7〉 (ソノラマ文庫)

 前世の自分の悲惨な最期を知った双葉は、幽将として覚醒することに恐怖を覚え始める。一方で「閃輝真刀」を自らの力で破壊してしまった十斗は、御前さまから、十将として覚醒を果たした時に真の刃が現れると知らされる。 
 7巻です。今回は幽殿を舞台に物語が進んでいきます。幽殿の中にも、そして外の組織にも、それぞれ色々な思惑があって動いていくわけですが、今回のメインはやっぱり幽将としての覚醒や破軍関連の過去の記憶といったところでしょうか。双葉が結構メインの扱いになっていますね〜。
 それはそうと、個人的には一将こと白金さんが印象的だったりします。この方は自衛隊にいるわけですが、階級社会の性質ゆえか、自分の思うように事を運ぶことができない。なまじ、武の幽将という他の幽将と違って自分から戦闘にいくタイプではなく、戦闘指揮や司令塔としての役割を担っている能力を持っているため、思い通りにいかない現状に歯がゆさを感じていることが伝わってきたかと。

倒凶十将伝(6)

倒凶十将伝 巻乃六 庄司卓 ソノラマ文庫 1997年5月31日

 青雲団の筆頭としてその才覚を発揮していく吉良出雲。彼はマスコミを通じて自衛隊の風印高校占拠を非難すると共に、「この世ならざるもの」の存在を訴えて、人々に予言を始める。その予言の的中率は凄まじく、また予言そのものもスケールアップしていく。あまりにも変わってしまった吉良に戸惑う十斗達。そんな折、吉良がとあるホテルが「この世ならざるもの(凶魔)」に狙われていると予言した。それを聞いた十斗達も、そのホテルへと足を向けるのだった。
 倒凶十将伝6巻です。段々凄いことになってきた吉良会長。凶魔側についた破軍。あくまで凶魔との共存を目指す白金。幽殿の中で、独自の動きを展開している人々。など、細かいところで色々な動きがありますね〜。全体的に地味といえばその通りなのですが、遂に動きだしたあの人や、ある人物の戻りつつある記憶といった見所もある巻だといえるかと。
 個人的には渋いオジサンが大好きなので(ちょっと問題発言?)瀬具源斗氏にもっと見せ場がほしいですね〜。 
 まとめ。後半から幽殿に舞台を写し、次巻では幽殿内でのことがメインだったはずなので、忘れている部分を含めどんな話だったか、続きを読むのが楽しみです。

倒凶十将伝(5)

倒凶十将伝 巻乃伍 庄司卓 ソノラマ文庫 1996年9月30日

倒凶十将伝〈5〉 (ソノラマ文庫)

倒凶十将伝〈5〉 (ソノラマ文庫)

 現世魔王復活が確実のものになった。そして警察と自衛隊による風印町の警備が強化される。そんな折、風印町にほどちかいE地区に、『凶の会』を名乗るグループが現れた。 一方、この状況下の中で、いよいよその活動を大きなものへと変えていくのは吉良出雲会長率いる『青雲団』。吉良の行動はもはや学校の風紀委員のレベルを超えるもので――。 
 倒凶十将伝第5巻です。うん、今回も面白かったです。十斗の父親、瀬具源斗が好きですね。十将の父親といういつか十斗に越えられる運命と、そのことについて源斗自身が思っていること。それが描かれていたことが良かったです。まだまだ活躍の場があるので、今後のこの方に注目です(笑)。
 一方で遂に登場した幽殿サイド。なにやら水面下で、うごめくものがあって「まさかこういう方向で絡んでくるとは」と今更ながらに思ったり。
 まとめ。色々な人々が、少しずつ本格的に動き出している巻。特に吉良会長が、その筆頭ともいえるかと。割と衝撃の最後で締められて、「たしか、この次は幽殿の話だったかな〜」とか思いながら、とりあえず次の巻を読んでいく予定です。

倒凶十将伝(4)

倒凶十将伝 巻乃四 庄司卓 ソノラマ文庫1996年5月31日

倒凶十将伝〈巻之4〉 (ソノラマ文庫)

倒凶十将伝〈巻之4〉 (ソノラマ文庫)

 現世魔王復活の鍵となる閃輝真刀を持ち出し、渡目沖村(とめおきむら)を出奔した破軍。その破軍を追って、凶魔『穿』と自衛隊の白金一(一将)が動き出す。
 一方、破軍に手も足もでず敗れた十斗は苛立ちを募らせていた。そんな折、十斗のもとにかつて母親を殺害した凶魔の存在が浮上する。怒りに燃える十斗は、母親の仇、凶魔『穿』を討てるのか。そして、閃輝真刀は誰の手に――。
 段々と盛り上がってきた倒凶十将伝の第4巻。今回はなんといっても、閃輝真刀を持ち出した破軍とそれを追う『穿』と、それを監視している自衛隊(白金)、さらには母親の仇を追う十斗と、様々な人物達がそれぞれの思惑で動いてるお話。幽将も10人全員が出揃っているので、これから物語が加速していく感じかと。 
 で、感想。前読んでいた頃は気にならなかったのですが、一将こと白金さん。理想や目的はともかくとして、閃輝真刀を手にしたところで、あまり優位にたてないのではと思ってみたり(苦笑)。それはそうと、個人的に破軍のお兄さんの貪狼(とんろう)さんが格好いいですね〜。奈々緒との微妙な絡みが好きだったり。
 あ、あと壬吾と葉霧。貴重な倒魔術を、タバコの火を消すのに使うのはどうなんだ(笑)。
 まとめ。今回で、離れ里で隠居しているあの人とか、親父様とか、割と重要で個人的に好きな人達に動きがあるので、これからが楽しみです。
 印象に残った台詞(以下反転)―「ならば私は一生、人の上に立つべきではありませんな」―貪狼(とんろう)さんの台詞。人の上に立つ男・白金を前に言った言葉。この作品って、こうした大人達(まあ、大人といっても若いですが)の会話が、結構印象に残る気がします。

倒凶十将伝(3)

倒凶十将伝 巻之参 庄司卓 ソノラマ文庫 1995年12月30日

 閃輝真刀―それは400年前に最強の幽将・十将が用いた愛刀の名前だ。かつて十将はこの閃輝真刀を手に現世魔王に戦いを挑み、その心臓を突いた。そして今・・・・閃輝真刀は今尚現世魔王の心臓をその錆色の刀身に突き刺したまま、とある村に封印されていた・・・。ところで最近倒魔士や凶魔の間で囁かれている噂がある。それは『真魔王』を名乗る強大な力を持った凶魔の存在だった。 
 はい、そういうわけで謎が謎呼ぶ第3巻です。う〜ん、段々何書いていいか解らなくなってきました(苦笑)。今回は風印町で十斗達が助けたフリーライター男・緑門(ろくもん)の話を聞いて、渡目沖村にあるとされる魔王の心臓を捜しに行くお話って感じでしょうか。
 見所は新たなる幽将とか、留置衆の破軍とか、吉良会長と副会長の怪しいシーン(挿絵ツキ)とか・・・割と多いですね〜。 
 やっと三巻、あと十巻です。なかなか道のりは遠そうです(苦笑)。

倒凶十将伝(2)

倒凶十将伝 巻乃弐 庄司卓 ソノラマ文庫 1995年8月31日

 現世魔王復活が近づくとき、十幽将達は覚醒していく・・・。しかし、十幽将も必ずしも一枚岩ではなかった。覚醒しているにもかかわらず御前さまの呼びかけに応えない一将と、自ら戦うことを放棄した三将・・・。彼らは何を思うのか―一方、まだ完全な覚醒を果たしていない十斗達に凶魔『濡れ吹き』が送りこまれた。
 倒凶十将伝2巻です。今回は九将こと、ここのと十斗達との出会いがメインかと。それと十斗達以外で色々な人々が動いている巻かと。特に白金さんとかが注目です。
 あと、鏡四郎さんが相変わらず渋くて格好いいですね〜。幽将の中ではトップクラスで好きです。
 すこしフライング気味で書いてしまうと、この作品って十斗達十将だけでなく、実に色々な人々(組織)にスポットが当てられていて、それぞれがそれぞれの考え方で動いているかと。個人的にはこのあたりも、この作品が好きな理由だったりします。
 印象に残った台詞(以下反転)―「貴様、俺がただ逃げ回っているだけだと思っていたのか」―鏡四郎さんの台詞。なんというか、こういう台詞がすごい似合っているな〜と思いました(笑)。格好いいです。

倒凶十将伝

倒凶十将伝 庄司卓 ソノラマ文庫 1995年3月31日

 『凶魔』―それは人に取り付き、恐怖を糧に生きるこの世ならざる存在。そんな凶魔と人知れず戦うものたちがいる。凶魔と戦う術ををもつ彼等は倒魔士と呼ばれている。
 瀬具十斗―彼も倒魔士のひとりである。気を光に変える技「鳴輝閃術(めいきせんじゅつ)」を携え、彼は今日も凶魔の跋扈する東京へと足を運ぶ・・・。
 はい、倒凶十将伝です。この度13巻がでたので再読開始です。う〜ん、かれこれ10年以上前に出ていたんですね〜。久々に読んだのですが、やっぱり面白いですね〜。 
 上のあらすじの他にこの作品のことを幾つか書いてみます。話は遡ること400年前、群雄闊歩する戦国の日本。そこに凶魔の魂を宿した人間が表れる。魔界と人間界の支配を企むその男は自らを現世魔王と名乗り、瞬く間に日本を制圧していった。
 その現世魔王を封印したのが、仙界から力を与えられた十人の倒魔士―十幽将だった。で、400年後の今、その封印を解こうとしている凶魔とそれを阻止しようとする人間達の戦いが起こっているというお話。さらに言えば主人公の十斗はかつての十幽将―光の幽将こと10将の生まれ変わりで、他の幽将たちと共に戦っていくというお話です。
 う〜ん、まとめ方がめちゃくちゃだ(苦笑)。もうしわけないです・・・。
 これだけだと感想というか解説みたいだ・・・。なので感想も。いわいる序章的な意味合いが強い巻。十斗や壬吾等の幽将達の能力の一端や、凶魔サイドの動きが描かれているかと。ちなみにヒロインが最後にチラッとだけ登場する巻でもあったり。
 見所はやっぱり十斗達の活躍かな〜と。個人的には鏡視郎さんが、好きですね〜。渋くて格好いいです(笑)。 
 とにかくこれから始まりますって感じの巻かなと。そんな訳で懐かしく思いながらも続きを読んでいきたいと思います。
 印象に残った台詞(以下反転)―「魔のものは魔の世界に帰れ」―十斗の台詞。印象に残ったというか、とにかく好きな台詞です。