砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet 桜庭一樹 富士見ミステリー文庫 2004年11月15日

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

☆☆☆☆☆
 実弾が欲しかった。この世界でやっていくために必要な・・・・実弾だけが欲しかった。13才の少女・山田なぎさは、早く社会にでて自分の力で生活したいと思っているリアリストだった。そんななぎさは一人の少女と出会う。その少女の名は海野藻屑。自分を人魚だと言い張る不思議な少女だ。
 これはそんな二人の少女の物語。
 これは「このライトノベルがすごい!2006」(宝島社)で総合ランキング第3位になった作品です。実は本編読む前にあらすじを読んでいなかったので、人魚とか出てきた時、ファンタジー系の作品だと思ってしまった(苦笑)。実際はどこまでもリアルな趣旨の物語でした。
 で、感想。色々と圧倒されたり、引き込まれたりする部分はあるのですが、どうにも肌に合わないようです。別に内容が救いがなくて、重いからって訳ではないとおもうのですが(どちらかというと、そういう展開も好きだったりします)、どうしても乗り切れなかったです。 
 とりあえず、そういった合う合わないの感情は排して、見所みたいなものをいくつか。まず、13歳の少女が抱いている感情が丁寧に描かれているかと。また、藻屑の奇行の裏側に隠れている 彼女の内面の感情を理解した時、藻屑の存在がどうしようもなく切ないです。