灼熱のエスクード

灼熱のエスクード 貫子潤一郎 富士見ファンタジア文庫 2008年2月25日

灼熱のエスクード―MATERIAL GIRL (富士見ファンタジア文庫)

灼熱のエスクード―MATERIAL GIRL (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆☆☆
 魔族たちのオークションに潜入し、凶悪犯「トリプルクラウン」を落札せよ。それが今回 薫とルーシアに課せられた任務だった。どうにかしてオークションへの乗り込む術を得た薫たちは、会場である豪華客船へと向うのだった。そして――。
 『煉獄のエスクード』の第二部にあたる『灼熱のエスクード』です。で、早速感想。これは、なかなか面白かったです。
 まず思ったのが「レイニーさん、久々に見たなー」ということ。2巻は登場してなかったり、3巻ではアレだったりしたので、なんだか本当に久々といった感じでした。でも、やっぱりその存在感は抜群ですね。格好いいです。
 でも、個人的にはルーシアが素敵だなと思える今日この頃だったりします(笑)。薫をぽかぽかやったり、レイニーに突っかかったりとなんだか可愛いですね。なかでも薫がレイニーのことばっかり言うから、勢いで自分を商品にしてしまったり(正確にはすこし違うのですが)した展開が良かった。なんかすごく活き活きしてる感じです。
 肝心のストーリーも良かったですね。まわり中 敵だらけの船で、さらに魔族のオークションに参加するという展開は、読んでいてなんだか不思議な感覚です。
 また、「トリプルクラウン」を始め登場人物たちが皆一癖も二癖もある食わせ者ばかりというのも、物語を盛り上げていた要因だったかと。
 それはそうと、今回薫はそれほど活躍していなかったですね。どちらかというと色々な決断や選択を迫られて悩む姿が多かったです。そして、今回の様子だと今後もっと大きな選択を迫れれることになりそうな予感。その時、薫はどう決断するのか、すごく気になります。
 まとめ。緊張間のある展開や、癖者たちとの駆け引きが面白かった作品。ところどころで今後重要そうなことも明らかになり、つづきがとても楽しみです。