黄昏色の詠使いⅥ

黄昏色の詠使いⅥ そしてシャオの福音来たり 細音啓 富士見ファンタジア文庫 2008年4月25日

☆☆☆☆☆
 ネイト、クルーエルとクラスメイトたち。トレミアアカデミーは、今日も彼らの元気な声が響き渡っていた。これは、そんな日常の物語。
 名詠式というものが存在する世界で少年達の活躍が絵かがれる『黄昏色の詠使い』その6冊目です。今回は短編集とのこと。ネイトたちの日常や、カインツたちの過去、さらには今後に繋がりそうなエピソードなどが描かれていたかと。では、早速感想。これはまずまずな面白さでした。いつもとちょっと違った雰囲気でした。 
 短編は全部で8編からなるのですが、その中でとりわけ印象的だったのは「探せ、そいつはあたしのだ」「アマデウスを越えし者」「また合う日までの夜想曲ノクターン)」の3編ですね。
 「探せ、それはあたしのだ」は、とある宝を求めて冒険するお話。最後のオチが好きですね。ゼッセル先生たちの意外な一面が見れたお話だったかと。
 「アマデウスを越えし者」はアーマにピンチが訪れる話。必死に逃げるアーマに笑いが。
 「また合う日までの夜想曲ノクターン)」は、カインツとイブマリーの過去のお話。今回のなかで一番好きなお話ですね。カインツの思い切った行動に喝采。素敵です。
 まとめ。本編とは少し違った雰囲気が漂っていた作品。なにげにこれからに関わりそうな話もあり、今後がより楽しみになりました。