天空のアルカミレスⅡ

天空のアルカミレスⅡ テスタコーダの鬼 三上延 電撃文庫 2006年7月25日

天空のアルカミレス (2) (電撃文庫 (1289))

天空のアルカミレス (2) (電撃文庫 (1289))

☆☆☆☆☆☆☆
 <方舟の闘士>アルカミレスとして覚醒した拓也。そんな拓也の前に《金色の戦器(オニクス)》奪還の命を受けた二人の<獣(テリオン)>が現れた。火凛(かりん)と水漣(すいれん)、その双子のテリオンに、いまだ力を上手く使えない拓也は苦戦。さらに拓也をかばい無理を重ねた日向子が倒れてしまい・・・。 一方 <最も凶暴なテリオン>ルスランに連れ去られた礼菜は、その拠点で一人のテリオンと出会う。
 少年たちとテリオンの戦いを描く天空のアルカミレス、その2冊目です。今回も面白かったですね。特に目立った「何か」があるわけではないのですが、色々と今後を期待させる要素が散らばっていて、ジワジワと染み込むような面白さがあります。 
 まず拓也と日向子の関係が良かった。特に日向子。状況が状況なだけに、なんとも複雑な感情が表れていたかと。
 また拓也の友人である友典が気になっていたりも。自分自身には戦う力がない。だけど何もしないままでいいのか? そんな疑問を抱いていた時に持ちかけられた話。 彼の今後の展望に注目です。
 あと、もうひとり気になるのは、拓也たちのサポートにやってきた少年・亨司(きょうじ)の存在。目的の為には強引な手段も厭わないという性格の裏には、恐らく過去に何かがあったのだろうけど、その過去が気になります。 
 他にも、拓也が自分の以前の記憶で悩む展開が結構好みだったりします。これからもついて回る悩みなのだろうから、どういった答えを見いだしていくのか、もしくはいかないのか、先の展開に期待です。
 終幕が、礼菜に関連して結構衝撃的な終わり方をします。なので。これからどうなっていくのか、とても気になります。
 印象に残った台詞(以下反転)――「・・・・・・・どうして独り言でわたしの名前を呼ぶの?」――日向子の台詞。自分の考えに没頭し、思わず彼女の名前を呟いた拓也。そのときの日向子の台詞。なんとなく気に入った台詞だったりします(笑)。