鳥は鳥であるために2

鳥は鳥であるために2 野島けんじ MF文庫J 2005年1月31日

☆☆☆☆☆
 「呪受者」である志朗は同じく「呪受者」である小鳩と出会い彼女の兄を探すのを手伝うことになった。ある日、小鳩の兄・倭と関係があるであろう水戸先生に会うために保健室へと向った志朗と小鳩。その途中、一人の少女に話しかけられる。少女の名前は公凪毬藻(きみなぎ まりも)。毬藻もまた「呪受者」であった。彼女は「呪受者」であるにも関わらず明るく人見知りしない性格の持ち主であった。そんな毬藻と親しくなる志朗たち。そんな折、グラウンドで生徒が突然倒れるという事件が起こった。志朗たちはその事件を起こしたのは「呪受者」ではないかと疑い・・・・・・。
 「鳥は鳥であるために」2冊目です。今回もわりかし面白かったです。兄探しをしているところに出会ったのは、元気いっぱいな少女・毬藻。同じ「呪受者」であっても志朗たちとは違って、明るい性格の毬藻。そんな彼女と志朗たちの交流がひとつの見所かと。また、学内で起こる事件にも毬藻は深く関係していきます。割と切ないお話?
 ただ。基本的に面白いとは思うのですが、どうにも違和感が拭いきれなかった。志朗たちは「呪受者」であって結構不幸な立場にいるはずなのですが、物語の雰囲気が全体的に明るいんですよね。時折思いだしたように志朗たちの「呪受者」たちの厳しい現実が描かれている、そんな感じかと。なんかこのあたりがどうにもチグハグに感じてしまった。個人的には基本は暗い(おとなしい)雰囲気で、その中でささやかな幸せを発見していく、そんなお話の方が良かったな〜とか思ったりしています。まあ、好みの問題ですかね。
 まとめ。そんな感じで、面白くはあるのですが好みとずれている、そんな作品だったかと。