戦塵外史3 大陸の嵐 花田一三六

戦塵外史 大陸の嵐 花田一三六 GA文庫 2007年6月30日

戦塵外史 三 大陸の嵐 (GA文庫)

戦塵外史 三 大陸の嵐 (GA文庫)

☆☆☆☆☆☆☆
 時は戦乱。カルディア帝国はその強大な力をもって遂に北へと侵攻を始めた。対する北は主要3国による三国同盟の締結を目指す。ゼニツア、ルマイラ、ジェラルスタン。その3国による同盟が成立すれば大国カルディアとも渡り合える。しかし、それは容易ならざる大事業であった――。
 歴史小説を読んでいるような読感が魅力的な『戦塵外史』その3冊目です。
 今回もとても面白かったです。まず、なんといっても三国同盟がどうなるかが気になって仕方なかったですね。しかも、登場人物達がそれぞれ魅力的で読んでいて素直に「ああ、素敵だ」と思えるような感じです。また、三国同盟の話とは別にゼニツア王国の密偵・デュークとその美貌を大陸一と謳われる遊女セシリアの話が盛り込まれているのも良かった。戦況そのものには関係ないのだけど、戦時下におけるひとつのエピソードとしてとても印象的です。
 まとめ。独特な文体とその魅力的な登場人物たちが素敵な作品。あとがきによると未収録分+新作であと3冊分続くとのことで、とても楽しみです。